爪や髪がボロボロになる原因は鉄分不足

爪や髪がボロボロになるのは紫外線や加齢なども原因として考えられます。

紫外線を浴びると、紫外線の持つエネルギーによって、
爪や髪を構成する組織(ケラチンというたんぱく質の結合)が破壊され、
爪や髪がもろくなってしまい、ちょっとしたダメージでもボロボロになってしまいます。

また年齢が進めば進むほど、体の酸化というのが進んでしまい、
酸化された組織はほぼ死んだような状態となるため、
やはり爪や髪がもろくなってしまい、すぐにボロボロになってしまいます。

ただ、少なくとも40代くらいまでのまだ年齢が若いうちは、
紫外線に対する抵抗力や十分にあるし年齢の影響も考えにくいものがあります。

紫外線・加齢以外に考えられる爪や髪がボロボロになる原因は、
鉄分不足です。

髪の毛や爪を合成するためには、
まずはその材料となるケラチンが必要になります。

ケラチンの結びつきの強さによって肌のように柔軟な組織になったり、
爪のように硬くなったりするわけですが、
ケラチンをくっつけるために必要になるのが鉄分なんです。

鉄分はもちろん、私たちの体内で生成することはできないので、
食事などを通じて外部から補わないといけません。

厚生労働省の国民健康栄養調査によると、
鉄1日の摂取量の平均値は

  • 男性で7.2~7.3ミリグラム
  • 女性で6.5~6.7ミリグラム


とされています。

それに対して、1日に摂取すべき鉄分量の推奨値は

  • 男性で10mg
  • 女性12mg


と決められています。

男性も女性も慢性的に鉄分不足に陥っていることがわかり、
鉄分不足によって爪や髪がボロボロになっている可能性は、
非常に高いと言えます。


鉄分不足によって起こりがちな症状

鉄分不足が起きていると爪や髪がボロボロになる以外に、
下記のような症状が現れます。


  • めまいや頭痛:脳の酸素不足
  • 息切れ
  • 倦怠感
  • 疲れやすくなる:心臓や全身の筋肉の酸素不足
  • 味覚がおかしくなる
  • 顔色が悪くなる:皮膚をめぐる血液の色が薄くなるため
  • 胸の痛み:心臓の筋肉の酸素不足、狭心症
  • 爪がもろくなる
  • 口角炎・舌炎
  • 飲み込みづらくなる
  • 氷や土を食べたがる:鉄欠乏性貧血
  • 尿が赤~褐色になる:溶血性貧血など赤血球が壊されることによる貧血
  • 末梢神経の症状:巨赤芽球性貧血


これらの症羽のうち2つ以上に思い当たることがある場合、
鉄分不足が影響していると思ってほぼ間違いはないでしょう。


鉄分不足で肌にシミもできやすくなる

若いうちでもスキンケアをサボっていると
できてしまうのが肌のシミやくすみといった症状。

シミを防ぐには、肌の老化を引き起こす
活性酸素の働きをキャンセルしなければなりません。

そのためには、抗酸化酵素である「カタラーゼ」が必要になるんですが、
カタラーゼの働きを促すのが鉄なんです。

鉄がなければカタラーゼの働きは鈍ってしまうため、
活性酸素に対する抵抗力が弱くなってしまい、
シミができやすくなってしまうんです。



鉄剤は副作用の危険大!最終手段にしておこう

鉄分不足で先ほど上げた症状があまりにもひどくて、
日常生活に支障を及ぼすようであれば、
病院で診察をしてもらい、鉄剤を処方してもらうのが良いでしょう。

  • フェロミア(50mg/1錠)
  • フェロ・グラデュメット(105mg/1錠)
  • スローフィー(50mg/1錠)
  • テツクール徐放錠(100mg/1錠)
  • フェルム(100mg/1錠)


といった鉄剤があり、大量の鉄を一気に補給できるものの、
気を付けたいのが鉄剤による副作用です。

鉄は、過剰摂取すると、中毒や胃腸障害などの
副作用が起こる可能性が非常に高くなります。

鉄の上限量は1日あたり、
成人男性で45~55mg、成人女性で40~45mgとされていますから、
鉄剤だと軽々と上限値を上回ってしまうんです。

鉄の過剰摂取によってもたらされる主な副作用としては、


といったものがあります。